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丹野まさよしとがんばり隊

丹野まさよしとがんばり隊

中心市街地活性化基本計画と増田のまちづくり

29年2月議会一般質問概要

丹野:今回取り上げるのは、増田地区のまちづくりについてである。増田地区のまちづくりについては、平成12年1月に策定された「名取市中心市街地活性化基本計画」に基づき、名取駅の橋上化や東西自由通路、駅前広場、都市計画道路などの整備が行われてきた。
平成18年8月に「中心市街地活性化に関する法律」が改正されたことから、新法に基づく計画の見直しを行い、平成21年7月に現在の基本計画がまとめられた。
しかしその後、平成23年3月に東日本大震災が発生したことから、名取市はその復旧復興を最優先課題とし、国や県と一体となりながら精力的に復興事業に取り組み 今日に至っている。この間、増田地区においても復興を先導する事業として「名取駅前復興市街地再開発事業」が認められ、現在、その核となる複合拠点施設の建設が進められている。本年1月27日には起工式が行われ、平成30年9月の完成を目指して本格的に工事が動き出した。
また、地震で全壊した増田公民館の跡地も、昨年10月に増田防災広場として生まれ変わった。災害時は防災拠点として、普段は人々の憩いの場として、また、交流や賑わいを促す多目的広場として活用されることが期待されている。これらの事業は、復興交付金事業や復興関連事業(都市防災推進事業)として取り組まれているが、本来、中心市街地活性化計画の中で位置づけられていた事業でもあり、こうした増田地区のまちの変化を歓迎する市民の声が多く聞かれる。一方、地区住民の間にもまちづくりへの動きが起きている。県道仙台名取線(旧国道4号線)沿いに設置されていた老朽化した街路灯をLED街路灯に整備するため、増田地区商工会や二つの商店会、また、名取まちづくり会社や町内会の方々が協議会を立ち上げ取り組んでいる。平成25年度補正の国の「商店街まちづくり事業」の採択をうけ、地元の協力金の負担も呼びかけながら、平成27年10月にはLED街路灯107基の設置を終え、点灯式を行なった。さらに、この街路灯整備事業に引き続き、歩きやすい空間整備事業にも取り組んでいる。県道仙台名取線沿線は、奥州街道の65番目の宿場・増田宿として発展してきた。現在も昔からの多くの商店が張り付き商店街を形成しているが、歩道がなく安心して通行できないという問題を抱えている。セットバックして歩道を整備することが理想だが、現状では困難なことから歩道部部分を着色することで運転者の注意を喚起し、少しでも歩行者が歩きやすい空間に整備しようとするもだ。道路沿いの民地の一部をバリアフリー化し、白線から側溝までの路肩部分をカラー塗装する事業を平成28年7月にモデル事業として実施した。バリアフリー化する事業費は名取まちづくり会社が、カラー塗装する費用は県道の路肩部分の改良ということで宮城県が負担した。モデル事業は、名取駅交差点付近からわずか100m余りの短い区間だが、住民より高い評価を得たこともあり、その後、担当した宮城県仙台土木事務所より、地元が要望していた増田1丁目の増田川付近から、増田5丁目の田高町信号機付近までの区間の両側の側道・側溝のカラー塗装について、平成28年度事業として全区間一括して工事することとなり、現在、3月20日の完成を目指して取り組んでいる。こうした状況の変化の中で、住民のまちづくりに対する関心も徐々に高まっているが、関係者の間では、増田地区のまちづくりのベースとなる中心市街地活性化基本計画を見直すべきだという声が聴かれる。現在の中心市街地活性化基本計画は、平成21年4月から平成31年3月までの10カ年計画で進められているが、すでに折り返し点を過ぎ最終年度を迎えようとしている。しかし、これまで検証されることもなく今日に至っている。そこで伺う。質問項目1「名取市中心市街地活性化基本計画の進捗状況と成果をどのように捉えているのか」
市長:名取市中心市街地活性化基本計画は、都市機能の増進と経済活力の向上を目的として、平成19年度に策定に着手し、地域の方々や商工関係者、名取まちづくり会社、民間事業者など多くの皆様の参画のもと検討を進め、平成21年度に策定したもので、区域面積78ha、68事業で構成してある。事業の内容として、名取市が主体となって行う事業は、名取駅前複合拠点施設の整備事業や庁舎耐震化など32の事業があり、そのうち15事業に取り組んでいる。また、関係団体に事業は公共空間活用賑わいイベント事業や広報事業等36事業があり、そのうち28事業に取り組んでいる。これらの成果については、名取市中心活性化基本計画の約6割の事業に取り組んだが、本来の目的にはまだほど遠いものととらえている。今後も中心市街地の活性化に取り組んでいく。
丹野:名取市中心市街地活性化基本計画に位置付けられているのは68事業。ハード事業から市民の賑わいを促すソフト事業まで多岐にわたる。全体として進捗しなかった、進捗が遅れたとすれば、何がネックになったと考えるか。住民の熟度が足りなかったのか。推進体制が不十分であったのか。それとも、基本計画そのものに無理があったのか。あるいは、東日本大震災の影響もあるのか。いろいろ考えられるが、どうとらえているのか。
市長:ひとつは東日本大震災の影響がある。また、地元の熱意も大事な要素になるが、総意としてまとめきれなかったのではないか。推進体制もこれでよかったのか反省点はある。
丹野:「名取市の計画は国の認定を受けていない。認定申請の検討はなされたのか。国の認定を受けない中心市街地活性化基本計画をどのように位置付け、まちづくりに生かしいく考えなのか」
市長:名取市中心市街地活性化基本計画は、中心市街地の活性化に関する法律に基づき策定された。国の認可申請については、平成21年に検討したが認定を受けるには事業区間として概ね5年間に実現可能な厳選されたものであること。準工業地域への大規模集客施設への立地制限が必要であることの理由から見送った経緯がる。名取市中心市街地活性化基本計画は、名取市第5次長期総合計画に位置付けていることからも、魅力ある生活空間として、道路、公園、複合施設などの整備や、商店街の環境整備を進めるため、引き続き名取市中心市街地活性化基本計画に位置付けた事業に取り組んでいきたい。
丹野:認定受けなかったことの影響はないのか。との観点から他市の事例として石巻市を紹介する。(石巻市も名取市と同じように、東日本大震災で大きな被害を受けた都市だ。死者、行方不明者、関連死を含めると3981名の方が犠牲となられた。甚大な被害を受けたが懸命に復興事業に取り組んでいる。)さて、石巻市は、震災後に東日本大震災の影響により事業実施困難、中心市街地を取り巻く環境の変化により基本計画の見直しを行い(H27年1月)第2期中心市街地活性化基本計画認定を受けている。町村の実情はそれぞれ違うので、一概に単純な比較はできないが、国の認定を受けていたからこそ、石巻市は基本計画の改定作業に取り組めたのではないか。国の認定を受けていないということの影響はないのかについて、どうとらえているのか。
市長:認定に踏み切れなかった2つの理由は、現在も変わりないと認識している。
丹野:もう一つは、計画の実施主体の連携には問題はなかったのかという点から伺う。石巻市の第2期中心市街地活性化基本計画で大きな役割を担ったのが、石巻市中心市街地活性化協議会。(石巻中心市街地活性化協議会については別紙参照)名取市も平成20年に、「名取市中心市街地活性化協議会」が設立されている。平成21年に「名取市中心市街地活性化基本計画(案)を策定するまでは活動が精力的に行われている記録が残っているが、現在も中心市街地活性化に向けた官民の連携や総合的な協議は行われてきたのか。
都市計画課長:中心市街地活性化協議会については、商工会が事務局となって活動を行っているが、震災以降は休眠状態である。
丹野:名取市のHPでは、「この計画で国の認定を受けるかどうかは、認定の合理性を含めて検討する。としているが、そういった検討した経緯はあるのか。また、認定を受けないと判断した場合は中心市街地活性化基本計画に代わるものが用意されると考えていいのか。
都市計画課長:認定を受けるための課題は市長が答弁したとおりであるが、ハードルが高いと感じている。しかし、中心市街地活性化計画の目玉の事業としては、駅前の再開発ビル、あるいは、防災広場等になるが、それらについては復興事業で進めることになった。特段、中活計画で認定を得て補助をもらうという必要がない。また、復興事業の方が国の補助率が高いということから方針を変更した経緯があるので、改めて認定を受けるという具体の検討は行っていない。また、中心市街地活性化基本計画に代わる計画はないと考える。
丹野:計画の熟度を見ながら、認定申請に向けて準備を整えるというのも一つの選択である。しかし、現実的には時間の経過とともに中心市街地はますます厳しいに追い込まれていることは事実だ。何もしないで、住民のまちづくりへの意識や意欲が高まるはずがない。 先ほど、住民の動きも紹介したが、街路灯整備事業にしても、歩きやすい歩道空間事業にしても、担当課である都市計画課のしっかりしたサポートがあった。若いメンバーを中心に、行政と連携し「できることから実現する」という積極的な取り組みが良かった。具体的にまちが変化していくということが、なんといっても住民のまちづくりへの関心を高め、意欲を引き出す効果がある。当然、まちづくりは行政だけでできる仕事ではない。むしろ、魅力あるまちづくりには民間の発想と協力は欠かせない。そこで伺う。質問事項3「実効性あるまちづくり計画とするためには、名取まちづくり会社や商工会、観光物産協会等、民間の発想と協力が欠かせない。早急に推進体制を構築をすべき。
市長:安全安心な生活環境を守るとともに、魅力あるまちづくりを推進することを目的とした、名取市商工会増田地区が中心となり、平成28年4月に増田地区まちづくり協議会が発足し毎月開催されている。現在、県道仙台名取線の歩道が未整備の道路において、歩行者の安全性を家屋保するため、ミンチ部の段差解消やカラー塗装化に取り組んでいる。今後も増田地区まちづくり協議会や各団体との意見交換の場を持ちながら、中心市街地活性化の推進に努めていきたい。
丹野:8年前にまとめられた、現在の中心市街地活性化基本計画を改めて見直してみると、10カ年計画のために、何から何まで詰め込んだ総花的な計画でるし、実現にはハードルが高いかなとの印象を受けるし、計画が策定された後は、息切れしてしまって、せっかくの計画が残念ながら絵に描いた餅になってしまっている。国の認定基準では、概ね5カ年で実現可能な事業を厳選することとなっているのも頷けるような気がする。そして、大切なのは長期総合計画の実施計画に反映させること。それが市民の関心を高め、まちづくり会社や関係団体のまちづくりへの動きを促すことになる。そこで伺う。質問項目4「計画策定から8年が経過している。中心市街地活性化基本計画の成果と課題を整理し、市の長期総合計画の実施計画に反映させるべきと考えるがどうか」
市長:名取市衷心市街地活性化基本計画は、平成21年度の策定から平成30年度までの10カ年を計画期間として定めている。平成29年度は、名取市衷心市街地活性化基本計画の事業の成果と課題の整理に取り組み、名取市で実施する事業については、精査を行い実施計画に反映させるべく検討していく。
丹野:実施計画に反映させるべく検討したいという前向きな答弁を頂いた。駅前の複合拠点施設は、来年9月には工事が完了する。オープンすれば、人の流れも大きく変化することが見込まれる。現在建設中の、駅前複合拠点施設のもつまちづくりへの波及効果を最大限に生かすために、中心市街地の回遊性を高める必要がある。名取駅と直結し、名取駅西口エリアと一体となった名取の玄関口として、市内外から人を呼び込み 新たな賑わいづくりが期待される。新たな図書館や増田公民館の入る駅前のゾーンと県道仙台名取線の中心商業ゾーン。そして、市役所、文化会館、体育館、保健センターの集積している行政文化ゾーンを安全安心に結びつける。人々が行きかうことによって活気をうみ、街への愛着を高めることができる。現在の基本計画でも、「増田公園整備事業」と「増田東岩寺線整備事業」として位置付けられている。この5年間位厳選される事業のひとつとして、考えてほしい。これらが整備されることにより、人の流れを点から線につなげ、街の魅力を高めていくことになると考える。そこで、質問項目5「現在建設中の駅前複合拠点施設の持つ機能とまちづくりへの波及効果を最大限にいかすため、中心市街地活性化基本計画にある、増田公園整備事業と増田東岩寺線整備事業に取り組むべきと考えるがどうか。」
市長:増田公園整備と増田東岩寺線整備事業については、実現可能性を検討し、地域の方々の協力を得ながら、できるところから取り組んでいく。
丹野:実現可能なところから取り組んでいきたいということなので、期待したい。これらの沿線には町の見どころも多い。名取百選で取り上げられた、増田神社、衣笠の松、鶴見屋の蔵、千手観音堂があり、市役所と体育館の間の増田東岩寺線は、市役所の桜が連なり緑道としてつながり、朝はウオーキングを楽しむ人々のコースになっている。そして、増田公園の整備については、現在も地域の商店会の人々によって、年2回花の植栽が行われ、街中の憩いの場として愛されている。しかし、46年前に整備された都市公園なので老朽化が著しい。これまでも議会で取り上げられてきた経緯もあるが、中心市街地活性化基本計画の区域内に含まれることから、「計画の進捗に合わせて」と、市当局も再整備の必要性を認めながら先送りされてきた。駅東に複合拠点ビルができる、この機会に整備計画に乗せて欲しいと考える。さて、時間が経過や環境の変化によって、事業の必要性が高まるということがある。駅前の複合拠点ビル、増田防災公園の整備、そして、街路灯の整備、歩きやすい空間の整備がすすみ、それらの効果を引き出すための施策の位置づけがあってもいい。それについてはどう思うか伺う。
市長:時代の変遷とともに求められる施策の重要度が変わってくると考える。それに合わせて現実に即した対応をしていくことが必要だ。また、目に見える形で一つずつ街が変わっていくという姿を見せていくというのも大切で大きな効果がある。そうしたことを実施計画に落とし込みをしながら進めていきたい。
丹野:名取市内の均衡ある発展というのは市長の意向でもある。あるいは、優先順位についても時代の変化に応じた事業の厳選にも対抗していきたいという答弁だったので、今後に期待したい。国の認定を受けるかどうかというのは、これからの検討課題だと考えるが、増田地区にとっては、中心市街地活性化計画はまちづくりの大きな指標になっている。今後とも増田地区のまちづくりにお力添えを頂きたい。以上で一般質問を終える。


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